埼玉県ふじみ野市 民部佳代の市議会blog

ふじみ野市議会議員民部佳代のブログです。 議会のこと、市政運営のことなど、若干固めの話をゆっくり書いています。 日ごろの活動や考え方はtwitter、facebookで公開中。 公式サイトは http://mimbu.com

子育て

就学援助を広く知らせて受けやすくー9月定例会

ふじみ野市の就学援助制度。2017年9月定例会で拡充する予算が提案されました。

これは低所得の家庭の子に給食費や学用品代などを支給する制度。9月8日の福祉教育常任委員会の審議でもう少し詳しいことが分かりましたので紹介します。

今回の補正額(当初の予算から増額する額)は2,637万円。

増額する理由は二つ。

一つは来年度入学する小学生・中学生の分から、入学前に入学準備金が支給できるように今年度の予算に組み込みました。

小学校入学の児童に対し40,600円を60人分、中学校入学の生徒に対し47,400円を140人分。合計で907万円分を予算計上しています。

小学生には就学前診断のとき、中学生には小学校を経由して、来年度入学予定の子どもたち全員にチラシで案内する予定です。前年(2016年)の所得を証明する書類を添えて12月までに申請してもらえば、3月上旬に入学準備金を支給できます。
それより後に失業などの事情で所得が低くなった場合でも、入学後に申請することができます。

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さて補正予算の増額のもう一つの理由。
残りの1,730万円は、対象となる児童生徒の増加によるもの。
学用品費、校外学習費、修学旅行費、給食費が対象で、小学生は当初の見込み517人分を610人分に、中学生は当初の見込み329人分を450人分に増額しています。

所得が低い家庭が増えたというわけではなく、全ての児童生徒の家庭にプリント等でお知らせするなど周知を徹底することによって、今まで受給できていなかった家庭に給付できるようになったためとのこと。制度を充実させるだけでなく、運用でもふじみ野市はがんばっていますね。

委員会中の休憩中ですが、一部の委員からは援助を受ける子どもが多すぎるのではないか、そんなにいるわけがないという声もありました。

ふじみ野市の児童生徒は1学年で約1000人なので、就学援助を受ける子は小学生が約10人に1人、中学生が約6.6人に1人。算出の基準が違いますが、日本の子どもの相対的貧困率が13.9%、7人に1人と言われていることを考えれば、妥当な数字だと思います。

また質疑の中で、中学校の部活動費については、学用品などと同様に今後は援助の方向で検討をしているという答弁もありました。民部が6月定例会で質問した内容を、実現に向けて前向きに動いてくれているようです。
県内でも3市町しか実施していないことです。ふじみ野市は子育て施策の先進地としてがんばっています。


福祉教育常任員会の中では、今回の補正予算は珍しく日本共産党を含めて全員賛成となりました。
9月22日の本会議で、正式に決定します。






医療的ケア児の保護者と意見交換会

6月30日、ふじみ野市や周辺地域の医療的ケア児と保護者の団体mamacareのみなさんと意見交換会。小宮山泰子衆議院議員、埼玉県議会議員4名も同席しました。

医療的ケア児は、生活するうえで「たんの吸引」や「経管栄養」など医療のサポートが必要な子ども。
新生児医療、小児医療が発達し、先天的な障害や出産時のトラブルなど以前なら救えなかった子が医療の力で救われ、やがて家庭で生活できるようになっています。
特に医療資源が充実した都市部やその周辺で急速に増えていて、ふじみ野市も例外ではありません。

医療的ケア児とその家族が困っていること、要望はいろいろあるのですが、今回は特に就学の問題に重点をおいてヒアリング。埼玉県では普通の小中学校に看護師を配置していないので、医療的ケア児は県立の特別支援学校に通うことになります。そこで県議にも状況を理解してもらうため、同席してもらいました。

家族らが抱えている困難と課題について、記録を兼ねていくつかピックアップします。

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1.特別支援学校の看護師・看護教員の配置

特別支援学校へはスクールバスで通うのですが、看護師が同乗していないため必要な子には保護者が付き添って通学中のケアを行う必要があります。また看護師がケアしているのは校内にいるときに限られるため、校外学習などには親が同行しなければなりません。

さらに埼玉県のガイドラインでは看護教員ができる医療的ケアの中に人工呼吸器の操作は含まれていません。そのため人工呼吸器が必要な子の場合は、親が常に近くで待機していなければなりません。

スクールバスや校外学習に看護師が同行できるように看護師を増員する、看護師ができるケアの範囲を広げるなどガイドラインの見直しが必要です。

本来、ガイドラインは満たすべき最低限の基準のはずですが、逆にガイドラインにないからできないという規制(言い訳?)になっているのでは?という指摘もありました。


2.就学相談と県教育委員会の壁

医療的ケア児の状態は子どもによって違います。意思疎通ができる子、できない子がいますし、身体障害がある子も、ほぼ寝たきりの子がいます。我が子は学校で学ぶことができるのか、どの学校で受け入れてくれるのか、保護者にとって大きな関心事です。

就学に関する窓口は市教育委員会になりますが、特別支援学校の管轄は県教育委員会です。市教育委員会を通して県教育委員会とのやり取りを行うため、連携が悪いと就学先選びにトラブルが起きることもあるそうです。

また就学相談は入学の前の年度に行いますが、市教育委員会に相談に出向いたり、あるいは特別支援学校に見学や相談に行くことが必要です。しかし医療的ケア児を連れての移動は困難が伴う上、体調が悪く指定日に行けないこともあります。就学に困難が伴う子の相談や見学については、前年度ではなくもっと前から時間をかけてほしいという声がありました。

医療的ケア児に限らず他の障がいを持つ子にも言えることですが、教育委員会が市内に特別な支援が必要な子がいることをもっと早い段階で把握するためには、障害福祉を所管する部門との連携が必要です。


3.訪問看護、ヘルパーの制限

医療的ケア児が訪問看護を受ける場合、健康保険法により看護師は「居宅において」看護しなければなりません。つまりスクールバスで通学する際に保護者の代わりに訪問看護師に同行してもらうとか、外出時に保護者の運転する車に医療的ケア児と一緒に看護師に乗ってもらうことはできません。
またヘルパーは医療的ケア児の移動支援として車に乗せることはできますが、原則、保護者は乗せることはできません。
これらの制限を少し緩めるだけで、子どもと保護者の外出がかなり改善されます。

またヘルパーが支援できるのは、子どもに対してだけです。しかしヘルパーは医療行為はできないため、ヘルパーに来てもらっても保護者がたんの吸引などケアしている間は近くで見ているだけ。
ヘルパーが保護者がやっている洗濯や買い物などの家事をやってくれれば保護者は子どものケアだけやればよく、負担が減るのですが、いまはそれが許されていません。


4.手続きの難しさ

上に書いてあるように、医療的ケア児を抱えていると外出することが難しくなります。つまり手続きや相談のため市役所に行くことすら、大変なこと。郵送やメールで手続きできることを増やしたり、職員が訪問して手続してくれるとかなり負担が減るようです。

また医療的ケア児が関わるのは、医療機関はもちろんのこと、保健所、児童相談所、市の子育て支援、障害福祉、そして教育委員会と、複数にまたがっています。
一方で従来にはない新しい障害であることや保護者は子どもと二人きりで過ごすことが多く、どこに何を相談すればいいか分からないことも多いようです。

国では、行政機関や医療、介護の支援に結び付ける重症心身障害児者等のコーディネーター配置を進める動きがあるようです。保護者が自分で調べなくても1カ所に相談すれば制度が利用できるよう、コーディネーターの配置を期待したいと思います。


他にもいろいろと話を伺いましたが、県、国と連携して少しでも子どもと保護者の不安や負担が軽くなればと思います。

医療的ケア児の存在をご存知ですか?-ふじみ野市議会一般質問その1

12月定例会の一般質問では4つのテーマで質問します。
テーマごとに一つずつ紹介します。まずは一つ目。


医療的ケア児への支援

医療的ケア児とは、生活するうえで”たんの吸引”や”経管栄養”など、医療的なケアが必要な子どものこと。
新生児医療の発達で超未熟児や先天的な疾病をもって生まれた子が、医療の助けを借りながら家庭で生活を送るケースが増えています。(全国医療的ケア児支援協議会公式サイト参照) 

医療的ケア児に対して医療行為ができるのは、保護者や看護師など限られた人だけです。
そのため幼稚園、保育園で受け入れてもらえなかったり、教育機会も制限を受けることがあります。

保護者も、訪問看護など限られた時間で支援を受けるほかは、24時間気を休める間もなく子どもの命と向き合う生活を送ることになります。

何より医療を必要とする患者として扱われ、障害福祉サービスの対象から外れている子もいると思われます。
病院から自宅に戻れることになり、これからどうやって生活していいのか途方にくれたという話も聞きます。
保健所、保健センター、子育て支援、障害福祉・・・ 初めてのことで、一体、どこに相談していいのかすら分からないという人もいることでしょう。

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(写真提供:mamacare

市には医療的ケア児が何名ほどいるのか。
どのようにして医療的ケア児の存在を把握しているのか。 

まずは市の医療的ケア児に対する、市の認識を聞いてみたいと思います。

障害福祉サービスとしての訪問看護が「居宅」に限定されるため、例えば通学や通院のときには看護師ではなく保護者が付き添わなければならないという問題もあります。

何とか市の独自のサービスで移動の支援ができないものか。
市だけでは財政的に難しいのであれば、特区で規制緩和されることが検討されています。ふじみ野市で特区に手を挙げるということも考えられます。


また医療ケア児の保護者は、数も少なく地域でも孤立しがちです。
子どもの将来のことや、ケアのちょっとしたコツを情報交換したり、同じ境遇の人と話をすることで、精神的負担も軽減されます。障害児や多胎児とその保護者を対象とした「つどい」などの交流の場があるように、医療ケア児にも交流の場が必要な時期にきているのでは?と思い、その点についても質問します。


今回の民部の質問は12月12日(月)。
9時半に開会して2人目の登壇です。おそらく10時ごろのスタートになると思います。
お時間のある方は、傍聴をお待ちしています。ふじみ野市役所本庁舎4階で、傍聴の受付をしています。

変わることへの不安と対話-保育所閉鎖で思い出したこと

耐震診断の結果を受けて2つの公立保育所が閉園する方針が決まったことに対して、問い合わせなどをたくさん頂いています。

何かが新しく変わる時、不安に思う人の気持ちも分かります。
そういえばあの時もそうだったと思った出来事があるので、思い出しながら紹介します。

私の娘は開校6年目の新設校、東台小学校に通っています。
元々は東原小学校の通学区域だったのですが、我が家も含め近隣に大規模なマンションが多く建設され急速に児童数が増えたため、東原小の分離新設校として東台小が設立されました。

雨が降ると体育館が一杯になり、廊下で体育の授業をやるしかない。
全校集会で体育館に児童全員を集めると、入口が狭いので移動だけで時間がかかる。
理科室や家庭科室のやりくりが難しく、実験や実習が制限されるなど。
マンモス化した東原小学校は多くの問題を抱えていましたから、新設校は地域住民の願いでした。

ところが東台小学校の通学区域が決まった時、近隣に住む保護者から反対の声が上がりました。

それまで通っていた東原小学校がすぐ近くにあるのに、今度は弁天の森という、うっそうとした森の中の坂を超え新しい小学校に子どもを通わせることになったからです。

当時も私は今と同じよう通学区審議会の経緯をブログに書いていました。
議員としてではなく保護者として通学区審議会を傍聴して、その結果を書いたのです。

ブログにはたくさんの意見がコメントとして書かれました。

東原小学校を卒業することを楽しみにしていた。
友達と離ればなれになるからかわいそう。
弁天の森には不審者が度々目撃されているので、子どもを通わせられない。
小さな子が坂を上るのは大変、無理に通わせれば不登校になりかもしれない。
砂川掘にかかる橋のガードレールが低く、子どもがふざけて川に落ちるかもしれない。
など。

さらには、「小学校が近いからマンションを購入したのに、学校が遠くなれば資産価値が下がる。市に損害賠償請求をしたい」という意見もありました。
時にはブログへのコメントだけではなく、私の家のポストに匿名の手紙が投函されていたこともあります。

ところが残念なことに、通学区域の決定に反対する人はブログも投書もすべて匿名。ブログで名前を公開したくないというのは分かりますが、メールは一つも届きません。
私からみれば、どういう方が反対しているのかもよく分からず、直接会話をすることもないのでどこまで切実に考えているのかも分かりません。

次第にブログのコメント欄は、見知らぬ人の不満のはけ口のようになっていきました。
子どもを新しい学校に通わせたいと思っていた私は、それをどう受け止めていいのか分かりませんでした。
通学区域を決めたのは私じゃないのに、批判ばかりが向けられる。何度もブログを閉鎖しようと思いました。

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状況が変わったのは、教育委員会が保護者に対する説明会を開催してから。

通学区域はすでに決まっていましたが、反対する一部の保護者は今までの学校に子どもを通わせたいと主張します。教育委員会は、保護者が何を不安に思っているかを聞き対策を答えます。

もちろん対策を用意していないものもありました。教育委員会が見落としていた部分です。
やはり実際に子どもを持ち、育てている人の意見は貴重です。
対策が足りずに理解が得られていないと分かれば、次の対策も考える必要があります。
その場合は持ち帰り、次の説明会で新たな対策を提案することになります。

その結果、危ないと指摘された橋のガードレールは、子どもが登れない高いフェンスになりました。
マンションからも通学路が見渡せるよう、通学路の樹木は低く剪定されました。
下校時に警備員も配置されました。
説明会で保護者が協議した結果、とられた対策です。

もちろん全ての不安が解消されたわけではありません。
でも実際に会うことで互いの理解は進みますし、保護者の反応はダイレクトに伝わるので教育委員会が思い切った対策をとるきっかけにもなりました。
他の小学校の保護者から見ればそこまでやらなくてもと言われそうなことも、保護者の理解を得るためには必要だったのです。

反対の声はもうブログのコメント欄からなくなりました。
今はみんな、喜んで新しい学校に通っています。

最近になって上級生のお母さんから「あのとき、私、すごく反対したんだよね」なんて告白を聞きました。

彼女が私のブログに匿名でコメントしたかどうかまでは分かりませんが、ずっとブログは読んでいたそうです。
モヤモヤした不安をどこにぶつけたらいいのか、分からなかったと言っていました。
説明会でちゃんと話を聞いてもらえてよかった、何であのとき反対したんだろうねと言ってました。

今回の保育所閉鎖の問題も、同じだろうと思います。
今までの保育所への愛着もあるし、経験していないことへの不安もあるでしょう。
解決していくためには、その不安を行政に伝えて一緒に考えていくことが必要だと思った経験でした。
 

西保育所、亀居保育所が閉鎖予定ー耐震診断の結果を受けて

昨日は議会最終日。
閉会後の会派代表者会議で、ふじみ野市の市立保育所の耐震性の問題について説明を受けました。
本来は行政から説明するお話ですが子育て世代の保護者に関心の高い話題ですので、説明を受けた内容をお知らせします。

昨年10月に行った市立保育所の耐震診断の結果、耐震性が著しく低い西保育所と亀居保育所の2つの保育所を今年度限り、つまり平成27年3月末で閉鎖することにしたそうです。

耐震診断の結果をうけ市も対応を検討しましたが、耐震補強の工事を行うにもその間の保育ができなくなってしまうことや、そもそも老朽化も激しいこともあり、来年度、新たに民間の認可保育園が3か所開園するタイミングでこのような判断をしたということです。

2つの保育所は定員がそれぞれ90名ですので、これによって合計180名が転園することになります。

一方、新しい保育園は、たんぽぽ第二保育園(ふじみ野市西1丁目)が定員103名、(仮称)ふじみ野亀久保保育園(亀久保4丁目)が定員120名、(仮称)上福岡3丁目保育園は0歳から2歳児までの保育園ですが定員は60名で、合計283名の受け入れが可能になります。

もちろん全てのお子さんを新しい保育園に移すというわけではなく、市立保育所を含めて他の既存の保育所を希望することも可能です。
いま2つの保育所に通っているお子さんは全て他の保育所、保育園に移れるように優先的に転園させるということです。

市立保育所で働いている保育士さんのうち正規職員は他の市立保育所に異動したり他の子育て支援に従事、臨時職員は新たな民間保育園で正規雇用してもらうようお願いするそうです。
またお子さんの環境が変わってしまうことに配慮して、数か月の間はそれまでの保育士が新しい保育園で引き継ぐようなことも検討しているそうです。

これからそれぞれの保育所で保護者への説明や要望の調査など行います。
2つの保育所に通わせている保護者の方は、不安な点は具体的に質問したり、要望するのがいいかと思います。
民部も保護者の疑問点や要望など市に伝えていきたいと思いますので、ご意見を寄せていただければと思います。 
Twitter プロフィール
アフラック募集代理店・ファイナンシャルプランナー・ふじみ野市議会議員・小学生の母。最近はfacebook中心。フォローミー。mixiもやっとります

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