これから冬にかけてインフルエンザが増えるシーズン。新型コロナウイルス感染症の同時流行で、医療体制に負担がかかることが懸念されています。

そこでふじみ野市では今年度に限り、65歳以上の高齢者、生後6か月から中学3年生までの子ども、妊婦を対象に、自己負担なしで予防接種が受けられるようになりました。

9月25日、ふじみ野市議会9月定例会の最終日。
これらの費用が補正予算として提案され、全会一致で可決されました。

以下、質疑の中で明らかになったことです。


事業の内容

65歳以上の高齢者については、例年は1回1500円だった自己負担分を市が負担します。
60歳以上、65歳未満で免疫機能に障害がある方(身体障害者手帳1級程度の方)も対象です。

加えて生後6か月の誕生日前日から中学3年生までの子どもと妊婦も、通常は1回4000円程度かかる費用を全額市が補助します。なお12歳までの子どもは4週間程度の間隔をあけて2回接種、13歳以上は通常1回接種です。回数やスケジュール等については、医師にご相談ください。

高齢者は定期接種、子どもと妊婦は任意接種となります。( 定期接種と任意接種の違い )


実施期間

2020年10月1日から2021年1月31日までの接種が対象です。その期間を過ぎると全額自己負担になるので、注意してください。

なお厚生労働省から高齢者以外は接種時期を10月26日以降に遅らせるようにとの協力のお願いが出ていますが、あくまで「お願い」であり、ふじみ野市では対象の年齢であれば10月1日から市の負担で接種できるとのことです。特に子どもは免疫を得るために2回接種が必要なことから、早めに接種したほうがよさそうです。

医療機関ではすでに今年のインフルエンザワクチンの予約が始まっています。今年はワクチンを確実に確保するため、予約のみ受け付けているところもあるようです。


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今回の議案審議の調査で知ったことですが、子どものインフルエンザワクチンは1994年まで定期接種だったそうです。インフルエンザは子どもが集団生活をおくる学校が感染の源となることが多く、子どもに対して感染予防をすれば社会全体での流行が防げるとされていたからです。

その後、ワクチンに対する不信感や子どもにだけ接種するのは人権侵害ではないかなどの世論に押されて任意接種となり、「病気は個人が防ぐもの」という意識に変わってきました。

しかし今回の新型コロナウイルス感染症の拡大をみれば、感染症は個人で防げるものではなく、やはり社会全体で取り組まなければならない問題だということが分かります。

高齢者や子供に限らず、人と接する機会が多い人はインフルエンザワクチンを接種して感染拡大に協力したほうがよさそうです。