県が行った水害対策で、別の場所が浸水するようになったのではないか。
9月定例会では、パネルを持ち込んで一般質問に臨みました。

取り上げたのは、ふじみ野市元福岡地域の内水被害。
内水とは川の氾濫による洪水ではなく、川に流しきれず堤防の内側であふれてしまう雨水のこと。

川越市とふじみ野市の市境に流れる川越江川は新河岸川へ合流するのですが、合流地点のふじみ野市元福岡地区と川越市寺尾地区ではたびたび雨水があふれて浸水が起きています。


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特に2017年(平成29年)の台風第21号では、元福岡地区208件、寺尾地区238件の合計446件が床上浸水。また2年後の2019年(令和元年)台風第19号では元福岡地区37件、寺尾地区141件の合計178件が床上浸水しました。

2019年の被災者はほとんどの人が2017年にも被災していて、やっと家を修復して元の生活が送れると思った矢先の災害。また同じ災害が繰り返されるのではないかと雨が降るたびに心配し、この地域を離れる人もいるそうです。

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下の図が一般質問で使用したパネルです。

左の地図が、207年に内水被害を受けた個所。
寺尾調節池(赤い点線)の東(右)から南(下)にかけて広く被害を受けました。(床上浸水446件)

この寺尾調節池、以前は高台から流れこむ水を保水する湿地帯でした。

ところが1998年(平成10年)に新河岸川の越流による大規模水害が発生。その対策として激甚災害対策特別緊急事業(激特事業)として国が補助を出し、2003年(平成15年)に埼玉県が湿地帯に堤防を作り新河岸川の水を一時的に受け入れる調整池として整備しました。
このとき川越江川の下流にある九十川の水をスムーズに新河岸川に排水できるよう、ポンプも整備しました。

図の右側が、1998年に水害を受けた個所。
このとき川越江川の東側(右)に広がる住宅地(ふじみ野市元福岡)は、ほとんど浸水被害を受けていません。


H10年H29年水害比較


台風や長雨は自然災害で、人の力ではどうしようもありません。
でも寺尾調節池ができる前と後では、浸水するエリアが変化しています。
いままで水害がなかった地域の人にとって、この変化は受け入れられるものでしょうか。


そこで9月定例会での質問。

寺尾調節池の影響について

Q.寺尾調節池整備計画について、当時の上福岡市(ふじみ野市の合併前の市)にどのような説明があったか
A.災害時の治水機能の確保、自然環境の保護や活力ある地域づくりへの貢献を基本理念として計画していると県から説明をうけた
Q.内水のリスクなど、地域の水の出方が変わる可能性があることについて説明はあったか
A.当時の職員、地域の住民に確認したが、そのような話はなかったようだ


元福岡・寺尾地区に対する対策

Q.これまでの対策と今後の対策は
A.H27年度から江川流域都市下水路の上流区域に位置する大井武蔵野地区に2基の調整池を整備、R1年度に3基目に着手しR2年7月に完成。計3万㎥の雨水貯留浸透機能を整備。
また30㎥/分の応急ポンプ車1台、10㎥/分の排水ポンプ車2台、5㎥/分を1台配置。
川越市と連携し、護岸上部整備や4㎥/分の排水ポンプを2台配置。監視カメラの配置を実施。
今後は新たに調整池及び排水ポンプ場の設置を検討、具体的な規模や候補地などを川越市、国、県と協議しながら計画案を策定する予定。
また川越市も市内2か所の公園に計2200㎥の調整池を整備すると聞いている。


寺尾調節池に内水を流せるように

Q.寺尾調節池へ直接この地区の内水を排水できるようにすべきではないか。県からの許可は。
A.原則的には認められていないが、H26年度から県とふじみ野市で設置している河川下水道事業調整会議において、寺尾調節池へ直接ポンプでの放流が行えるようふじみ野市長が提案し、県が調査研究をしている。



なお最後の質問については、埼玉県から川越市寺尾自治会など地域住民からの要望に答える形で、「新河岸川の洪水調節機能に支障がない範囲で、寺尾調節池への内水の受け入れが可能であることを川越市に回答しており、同市において検討が進められている」という回答があったと聞きました。


地域を流れる川は下流で合流して一つになるのに、国は荒川、県は新河岸川、川越市は川越江川をそれぞれ管理していて、その縦割り(横割り?)の弊害が表れているように思いました。

この問題については、今回の市への対策の要望に終わらず、国や県にも働きかけていく手助けができればと思っています。