本人に許可をもらったから、ちょっとずつ書いてみる。
昨日、子どもを預かったお友達の家庭。昔のバイク仲間で、付かず離れずで20年のお付き合いがある。
たまたま私から保険契約したこともあって、6月10日に妻が骨折し半身不随になるかもと連絡があった。
階段から落ちたくらいでと府に落ちなかったのだけど、検査の結果は乳がんからの骨転移だった。がんに対する知識がある人は、それが何を意味しているか分かると思う。
たまたま私から保険契約したこともあって、6月10日に妻が骨折し半身不随になるかもと連絡があった。
階段から落ちたくらいでと府に落ちなかったのだけど、検査の結果は乳がんからの骨転移だった。がんに対する知識がある人は、それが何を意味しているか分かると思う。
幼稚園に通う4歳の子と1歳になったばかりの子がいるんだけど、それからが大変だった。私も知ってる限りの情報提供をして、なんとか今のところ"奇跡的に"当面の預け先も見つかったようだ。お金はかかるけど。
市内の人ならもう少し私も動けたのだけど、残念ながら住まいは県外。でも行政や保育関係者もかなり協力してくれたみたい。
一方、奥さんの状態。下半身不随になる可能性もあるといわれリハビリもがんばってるけど、骨がもろくなっているのでちょっとした衝撃で何があるか分からない。会いに行ったときは車椅子だったけど、病院内だから何とかなるのだろう。日中、一人で過ごすことは無理だと思う。
ある日突然、救急車で運ばれ、まだ乳離れも終わっていない子を残しての長期の入院生活。家のこと、家族のことが気になって、早く家に帰りたいはず。
治療との兼ね合いもあるだろうけど、今のところ戻るにしても使える制度があまりに乏しい。福祉制度の隙間に入り込んでしまったよう。
がんで介護が必要になった場合は介護保険が使えるのだけど、彼女はまだ30代。介護保険が使えるのは40歳から。介護認定を受けられれば、日中はヘルパーさんや通院介助、訪問看護も利用できる。いつでも戻れるようにと家にも少し手を入れつつあるようだけど、介護ベッドや手すりも介護保険が使えたはず。
介護保険の加入年齢を20歳に引き下げようという話がときどき浮上して、私は単に「財源のために若い人に負担を求めようとしている」くらいに思っていたのだけど、今回ばかりはどうして年齢で切ってしまったのだろうともどかしく思った。
あと使える制度としては、障害者に対する支援。でも、これも障害者手帳を取得しないとどうにもならない。
障害と単なる怪我や病気との違いは、症状が固定しているかどうかだ。例えば事故で足が不自由になっても回復の結果によってその状態が長期で続くかどうか分からないので、すぐには障害者手帳は交付されない。以前にもある相談で脳出血で植物状態になった人に障害者手帳を取得してもらうことになったのだけど、そのときには最短でも3ヶ月待たないとと言われ、結局手帳の交付に6ヶ月かかった。友達の奥さんの場合も、市で相談したら最短で4ヶ月といわれたらしい。まぁ、どこもそんなものなのだろう。
事故や脳溢血の場合は、リハビリで回復も期待できる。でも身体障害をともなうほど進行したがんの場合、普通はよくなる方向には考えにくい。今回骨折した箇所がもしリハビリで回復しても、衝撃を与えないように生活しなければならないことはこの先、ずっと続くだろう。
介護保険では末期がんの患者は容態が急変することもあるので、迅速に対応するよう、また認定が終わらなくても暫定でケアプランを作成できるよう、2年前に厚生労働省が都道府県・市町村に通達を出している。
障害者手帳も、がんに関しては同じ扱いができないものなのだろうか。これは国に強く求めたい。
http://www.pref.saitama.lg.jp/uploaded/attachment/425472.pdf
つぎに障害年金。国民年金から給付される障害基礎年金が受け取れれば、例えば自分で民間のサービスを利用する費用に充てることもできるだろう。
ところがこれも、初診日から1年6ヶ月たたないと給付の対象にならない。
例えばがんでも、検査でがんが見つかって治療したけど、しばらくしたら再発して体に障害が残ったという場合なら、1年6ヶ月経過していることもあるだろう。でも体の不調を訴えて検査したらがんが見つかったという場合、それなりに進行しているケースが多い。最初の治療で、大腸がんなら人工肛門、咽頭がんなら声が出なくなるという人もいる。先日、ある人は、比較的初期の皮膚がんで指を切除した。がん治療がお金との戦いになることはよくある。がん患者にとって、1年6ヶ月という歳月はあまりに長い。
がん治療と医療費のことは、また機会があったら書きたいと思う。
あと、若い人にも知っていて欲しい。がんという病気は決して他人事ではないし、健康に自身がある人でもがんを完全に予防することはできない。特に「自分が病気になったら家族が困る」と心当たりのある人は、検診を受けたり、早めに病院に行くなりして家族のためにも自分を気遣って欲しい。